疑惑の目
しかし.....
その静寂は突如として破られた。
隣のコテージから悲鳴が聞こえ、悠斗は身を乗り出した。
彼は妻と娘を守るため、刑事としての本能が目覚めた。
彼は急いでコテージを出て、悲鳴の聞こえた隣のコテージの前まで走った。
「大丈夫ですか!」
ドアをたたくが返事がない。
「開けますよ」
鍵は開いていた。
部屋の向こうには血まみれの女性と男性が見えた。
女性は緑色のドレスを着ていた。
彼女の目は恐怖に満ち、手には包丁が握られていた。
男性は、灰色のスーツを着ていたが、彼の表情は冷徹で、彼の手には拳銃があった。
拳銃を所持しているという状況に、ただ者ではないことは分かった。
「お前たちは何者だ」
悠斗は声を荒げた。
女性は震えながら言った。
「私は被害者なんです...この男が私を襲ったのです.......」
男性は無言で悠斗を見つめていた。
彼の目は何かを隠している。
女性が口を開いた。
「私たちは愛し合っているのです。2人でこの山奥のコテージに逃げてきました。」
ようやく彼が口を開いた。
「愛し合って逃げてきたのはお前だけだ。」
彼は何かを隠している。
悠斗は彼の目が一瞬泳いだのを見逃さなかった。